トモエ|福山醸造



旨み研究所

2017.06.16

醤油の味を考える

こちらはトモエ旨み研究所です。

 

今回は醤油の「おいしさ」の秘密を深く知るべく、その味について考えます。

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醤油には五原味が揃っているバランスのとれた調味料と言われています。

五原味とは、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味を言います。

 

醤油の原料である大豆・小麦・塩に含まれている成分が醸造中に微生物の働きによって様々な味の成分になり、それらそれぞれが作用し合い、調和の取れた味を構成します。

五原味

 

甘味

醤油には約7種類もの糖類が2~5%含まれています。

代表的な成分はブドウ糖で、原料の小麦のデンプンが醸造中にブドウ糖に変化します。

他にもグリセリンなどの糖アルコールや、グリシンなどのアミノ酸も甘味を作りだす役割をしています。

糖アルコールは糖の一種で、甘味のあるものが多く低カロリー甘味料として用いられています。糖アルコールのひとつにキシリトールがありますが、キシリトールは虫歯になりにくい効能の甘味料として有名です。

甘味は醤油全体の味をやわらかくし、まるみをもたせてくれる役割があります。

 

酸味

人が最もおいしさを感じるのはpH4~6(※)の弱酸性と言われています。

本醸造の醤油もpH約4.7の弱酸性です。

※pHとは物質の酸・アルカリ度を示す指標です。食品には色々なpH(酸性・アルカリ性の程度)があり、pH0~7は酸性、pH7~14はアルカリ性を示します。

醤油の酸味は主に、乳酸・酢酸・コハク酸などの有機酸を含んでいます。塩味の角を取り、味に締まりを与えます。

 

塩味

醤油の塩分は約17%です(濃口醤油の場合)。

海水よりも高い食塩濃度が殺菌効果を果たします。海水の塩分は3.5%。海水より塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸をはじめとした各種成分が発酵作用も相まって味をまろやかにしているからです。

 

苦味

苦味アミノ酸やペプチド類がわずかに含まれていますが、直接苦味を与えるわけではなく、コクを加える働きをします。

 

旨味

原料の大豆・小麦に含まれるたんぱく質が麹菌によって分解されて生成する20種類以上のアミノ酸が旨味を構成しています。

グルタミン酸が最も多く含まれ大きな役割をしていますが、他にもグリシン、リジン、アラニン、アスパラギン酸などが含まれています。

グルタミン酸をはじめとする多くのアミノ酸は窒素化合物ですが、窒素は旨味の指標です。窒素含有量が多いほど旨味成分の多い醤油と言えます。

 

 

「おいしさ」というのは五感で総合的に感じるものです。環境や心理、体調や好みなどによってもその感じ方には個人差があります。

醤油がこれほど日本人の食生活に密着し、また世界にも広く普及している理由は、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の五原味が一体となり醤油の味として万人に愛されているからと言えるでしょう。

 

 

 




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