トモエ|福山醸造



旨み研究所

  • 2017.08.30

    醤油を旨く保存する方法

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    こちらはトモエ旨み研究所です。 今回は、醤油を風味よく保つためのオススメの保存方法についてご紹介します。 写真左が開封直後、中央が30日後、右が90日後の醤油です。 醤油は時間の経過とともに褐変してしまいます。 赤橙色から黒味を増した色になり、苦味とえぐ味が強くなり風味が落ちてしまいます。 以前「どうして味噌って色が変わるの!?」の回で味噌の色の変化についてご紹介しましたが、醤油についても同様のことが起こります。 醤油が褐変してしまう主な原因は、 ・温度(熱によるメイラード反応) ・空気(酸素による酸化反応) です。 【温度:メイラード反応】 温度が高いほど、香り・色・味の変化が早く進むので、開封前は冷暗所、開封後は冷蔵庫での保存がオススメです。 【空気:酸化反応】 開封すると空気に触れ、酸化が始まります。酸化すると醤油の色が濃くなるので、使用後はきちんとふたをするのがオススメです。 また、ガラス瓶の容器は酸素を通しにくく酸化の影響を受けにくいと言われています。ペットボトルの容器はわずかに酸素が透過することもあります。 近年注目を集めている密封ボトルは中の醤油が空気に触れない構造で、開封後も酸化しにくく、鮮度を長く保持できるようになっています。 トモエの「道民の醤油」は、開封後90日間鮮度を保持できる容器を使用しています。 グラフから、開封後90日を経過しても醤油のおいしさが保たれているのが分かります。 この容器の場合、開封後も常温での保存が出来るため卓上醤油としてもオススメです。 醤油の賞味期限は醤油の種類と容器を考慮し、本来のおいしさを味わっていただける期間として設定されています。 期限を過ぎてしまったからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。 使用後はきちんとふたをし、冷蔵庫に保存して1ヵ月程度で使い切ることをオススメします。

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  • 2017.06.30

    醤油づくりに欠かせない微生物たち

    • 醤油づくりに欠かせない微生物たち
    • 醤油づくりに欠かせない微生物たち

    こちらはトモエ旨み研究所です。 醤油は代表的な発酵食品です。 発酵食品とは、微生物などの力を借り発酵させてつくられる食品です。 醤油の他にも、味噌やヨーグルト、納豆、日本酒、チーズ、ぬか漬けなどの発酵食品があります。発酵により味が良くなったり、栄養価が高まったり、長期保存ができたり、などの特徴があります。 今回は発酵食品、とりわけ醤油づくりに欠かせない微生物について考えます。 醤油をつくる時、微生物はどのような働きをするのでしょうか 麹菌・乳酸菌・酵母の3種の微生物が色・味・香りのバランスのとれたおいしい醤油をつくります。 醤油の麹は、蒸した大豆に炒って砕いた小麦を混ぜ、そこに麹菌を加えて「醤油麹」をつくります。 麹づくりは、酵素をつくりだすことが目的です。 麹菌は醤油の旨味成分や香り成分などをつくるための酵素の供給源です。酵素によって、原料の大豆や小麦のたんぱく質はペプチドやアミノ酸(甘味・苦味・旨味)に、デンプンはブドウ糖(甘味)に、脂肪はグリセリン(甘味)になります。 麹菌は各醤油メーカー特有の菌株を使用しています。できあがりの醤油はメーカーごとに風味が異なるものです。 醤油麹に食塩水を混ぜて「諸味」とし、長い期間発酵していくのですが、その間に働く微生物が乳酸菌と酵母です。 麹菌(酵素)がつくりだしたブドウ糖などを原料に、乳酸や酢酸などの有機酸(酸味)をつくり、諸味を弱酸性にします。諸味のpHが下がり弱酸性になると酵母が働きやすくなり、醤油の赤橙色の生成にもつながっていきます。 タイプの違う2種類の「主発酵酵母」と「熟成酵母」があります。 乳酸菌の働きにより、pH5.2くらいになると主発酵酵母の増殖が活発になり、アルコール発酵が始まります。ブドウ糖から多数のアルコール類をつくりだすことで醤油の香りに大きく関与します。 熟成酵母は、燻製のような香りをつくり、醤油に重厚感を与えています。最終的に香りの成分は300種類も含まれることになります。 主発酵酵母も熟成酵母も各醤油メーカーで蔵に棲みついている菌種が異なり、特有の風味を与えています。 醤油づくりに関与する微生物の特徴は、高食塩濃度の環境下でも生育・増殖することができる耐塩性を持っていることです。そのため増殖はゆっくりと起こります。 また、発酵・熟成期間中に微生物が活発に働くので、諸味の温度は最も高くて30℃近くまで上昇します。この温度下で、ブドウ糖とアミノ酸やペプチドが反応して「メラノイジン」という褐色色素がつくられ着色していきます。発酵が終了するころには豊かな香味と醤油らしい諸味の色になってきます。 これが醤油づくりに長い期間を必要としなければならない、味わい深い理由のひとつです。 麹菌は旨味・甘味・色のもととなる基本成分をつくりだし、 乳酸菌は味に深みを与え香りを引き立て、 酵母は約300種類もの香りをつくります。 このようにおのおのが活躍してくれるので、これらの微生物はおいしい醤油づくりには欠かせない存在です。その微生物が大いに活躍できるように状態を調整する熟練の蔵人もまた醤油づくりに欠かせません。

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  • 2017.06.16

    醤油の味を考える

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    こちらはトモエ旨み研究所です。 今回は醤油の「おいしさ」の秘密を深く知るべく、その味について考えます。 醤油には五原味が揃っているバランスのとれた調味料と言われています。 五原味とは、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味を言います。 醤油の原料である大豆・小麦・塩に含まれている成分が醸造中に微生物の働きによって様々な味の成分になり、それらそれぞれが作用し合い、調和の取れた味を構成します。 甘味 醤油には約7種類もの糖類が2~5%含まれています。 代表的な成分はブドウ糖で、原料の小麦のデンプンが醸造中にブドウ糖に変化します。 他にもグリセリンなどの糖アルコールや、グリシンなどのアミノ酸も甘味を作りだす役割をしています。 糖アルコールは糖の一種で、甘味のあるものが多く低カロリー甘味料として用いられています。糖アルコールのひとつにキシリトールがありますが、キシリトールは虫歯になりにくい効能の甘味料として有名です。 甘味は醤油全体の味をやわらかくし、まるみをもたせてくれる役割があります。 酸味 人が最もおいしさを感じるのはpH4~6(※)の弱酸性と言われています。 本醸造の醤油もpH約4.7の弱酸性です。 ※pHとは物質の酸・アルカリ度を示す指標です。食品には色々なpH(酸性・アルカリ性の程度)があり、pH0~7は酸性、pH7~14はアルカリ性を示します。 醤油の酸味は主に、乳酸・酢酸・コハク酸などの有機酸を含んでいます。塩味の角を取り、味に締まりを与えます。 塩味 醤油の塩分は約17%です(濃口醤油の場合)。 海水よりも高い食塩濃度が殺菌効果を果たします。海水の塩分は3.5%。海水より塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸をはじめとした各種成分が発酵作用も相まって味をまろやかにしているからです。 苦味 苦味アミノ酸やペプチド類がわずかに含まれていますが、直接苦味を与えるわけではなく、コクを加える働きをします。 旨味 原料の大豆・小麦に含まれるたんぱく質が麹菌によって分解されて生成する20種類以上のアミノ酸が旨味を構成しています。 グルタミン酸が最も多く含まれ大きな役割をしていますが、他にもグリシン、リジン、アラニン、アスパラギン酸などが含まれています。 グルタミン酸をはじめとする多くのアミノ酸は窒素化合物ですが、窒素は旨味の指標です。窒素含有量が多いほど旨味成分の多い醤油と言えます。 「おいしさ」というのは五感で総合的に感じるものです。環境や心理、体調や好みなどによってもその感じ方には個人差があります。 醤油がこれほど日本人の食生活に密着し、また世界にも広く普及している理由は、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の五原味が一体となり醤油の味として万人に愛されているからと言えるでしょう。

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